社会現象とも言われるほどの大ヒットを記録したアニメ映画『鬼滅の刃 無限列車編』。その興行収入は日本歴代1位となり、多くの話題を呼びました。
しかし、そのあまりの人気ぶりに「ずるい」「他の映画と比べてフェアじゃない」といった声も少なからず上がりました。
2025年夏新たに公開された映画『鬼滅の刃』無限城編は8日間で最速100億円突破し日本記録再び更新するのではないかといわれています。
この記事では、鬼滅の刃がなぜ歴代記録を塗り替えるほどヒットしたのか、また「ずるい」と言われる背景にある事実や誤解について解説していきます。
鬼滅の刃の興行収入が歴代記録を更新した理由
鬼滅の刃がこれほどの大ヒットを記録した背景には、いくつかの明確な要因があります。
コロナ禍によるライバル作品の少なさ
『鬼滅の刃 無限列車編』が公開されたのは2020年10月。当時は新型コロナウイルスの影響で、映画業界全体が大打撃を受けていました。
多くの大作映画が公開延期や中止となり、観客が楽しめる新作映画が非常に少ない状態だったのです。
その中で、『鬼滅の刃』は満を持して公開されたため、他作品との競合が少なく、注目が集中しました。
結果的に、多くの人が「観る映画が他にないから」と足を運び、興行収入の伸びに大きく寄与しました。
家族で楽しめるアニメ映画として人気が集中したから
『鬼滅の刃』は、バトル要素がありながらも家族の絆や兄妹愛といったテーマが描かれている作品です。
そのため、子どもから大人まで幅広い年代が共感しやすく、家族で楽しめる映画として高く評価されました。
特に子どもに人気があり、親子で一緒に観に行くというケースが多く見られました。
こうした「家族連れ」の動員は、1人当たりの観客数よりも平均単価が高くなりやすく、興行収入を押し上げる要因となったのです。
原作の人気とアニメの完成度が高かったから
原作漫画『鬼滅の刃』は、連載終了時点で累計発行部数1億部を超える超人気作品でした。
そこに映像制作を担当した「ufotable」の高い作画技術と演出力が加わり、アニメのクオリティは非常に高く仕上がっていました。
「映画でここまでできるのか」と驚かされる戦闘シーンや、涙を誘うストーリー展開が話題を呼び、口コミでさらに人気が広まりました。
原作ファンだけでなく、アニメで初めて作品を知った人まで取り込むことに成功し、異例のヒットに繋がりました。
テレビアニメ「無限列車編」直結の劇場版だったから
劇場版『無限列車編』は、テレビアニメ第1期の続きとして描かれた内容です。
テレビアニメで作品にハマった人にとって、「続きが映画で観られる」という点が非常に魅力的でした。
つまり、完全に「物語の続編」として機能していたため、観ないと次の展開がわからないという状況が、観客の足を劇場へと向かわせました。
このストーリーベースの強さも、興行収入を押し上げた大きな要因です。
鬼滅の刃の興行収入が「ずるい」と言われるきっかけとは？
ヒットすればするほど、注目も批判も集まります。鬼滅の刃が「ずるい」と言われるようになった背景には、いくつかの出来事があります。
「特典目当てのリピーター」に注目が集まったから
鬼滅の刃では、映画の入場者に特典を配布していました。
これがコレクター心を刺激し、「すべての特典が欲しい！」と複数回観る人が続出しました。
一部のファンは何回も鑑賞するなど、熱狂的な行動がSNSで拡散され、「リピーターが多すぎる」と話題になりました。
この現象が「ずるい」と感じる人たちの疑念を強めたのです。
興行収入の集計方法が他と違うと感じる人がいたから
映画の興行収入は、チケットの売上金額で決まります。
リピーターによって何度もチケットが購入されると、それがすべて興行収入に加算されるため、「実際の観客数よりも大きな数字になっているのでは」と指摘する人も出てきました。
また、IMAXや4DXなど高単価の上映方式も収入を押し上げた要因であり、それをフェアでないと感じる声もありました。
ただし、これは鬼滅の刃に限った話ではなく、全ての映画に同じ集計方法が用いられています。
テレビ放送後にも再上映され収入が伸び続けたから
通常、映画の興行収入は数週間～数ヶ月で収束しますが、鬼滅の刃は異例の長期間上映が行われました。
他の映画と比べて鬼滅の刃の興行収入は本当にずるいのか？
「ずるい」と感じる人がいる一方で、実際には鬼滅の刃が特別な手段を用いたわけではありません。他の映画でも同様の手法は広く使われています。
特典商法は他の映画でも行われているから
近年では、アニメ映画を中心に特典配布は一般的になっています。
『名探偵コナン』シリーズや『呪術廻戦』などでも、週替わりの特典や限定冊子などが配布されています。
鬼滅の刃だけが特別な戦略をとったわけではなく、映画業界全体のプロモーションの一部として捉えるべきでしょう。
むしろ、その効果を最大限に活かしたのが鬼滅の刃だったのです。
リピーターの存在は人気の証拠だから
リピーターが多いということは、何度も観たいと思わせるだけの魅力があるということです。
ストーリー、演出、音楽、キャラクターすべてが高い評価を得ており、感動したシーンをもう一度観たいという人が多かったのです。
これはファンの愛情の現れであり、それを「ずるい」と否定するのは筋違いとも言えるでしょう。
作品の質が高いからこそ、多くの人に支持された結果なのです。
ファンの反応は？鬼滅の刃の興行収入がずるいという声への意見
ファンの間では、「ずるい」という批判に対してさまざまな意見が交わされています。その多くが作品と制作陣を擁護する内容です。
「努力の成果をずるいと言わないで」といった声がある
アニメーション制作会社の努力、声優の演技、原作の魅力など、作品が成功するには多くの努力が必要です。
それらを無視して「ずるい」と言われるのは不公平だと感じるファンも多いです。
「努力を積み重ねた結果なのに、なぜ批判されなければならないのか？」という疑問の声がSNSにも数多く見られます。
ファンにとって、それは「愛する作品を否定された」と感じるほど、敏感な問題なのです。
「ずるい＝それだけ話題性がある」という肯定的な見方もある
逆に、「ずるいと言われるほど話題になったのは成功の証だ」とポジティブに捉えるファンもいます。
一部の人からの批判も、それだけ多くの注目を集めている証拠と見なされています。
世の中のどんな大ヒット作品にも、必ず批判の声は存在します。
それすらも話題に変えていくのが、人気作の強さと言えるかもしれません。
特典に頼らず内容だけでも観る価値があるという意見もある
「特典がなくても観に行った」「特典の有無に関係なく感動した」という声も多くあります。
つまり、内容そのものが素晴らしかったからヒットしたという、純粋な評価が根底にあるということです。
特典が話題になるのはあくまで一部で、本質的な魅力はストーリーや映像にあるとする見方が多数派です。
こうした声がある限り、鬼滅の刃のヒットは偶然でも「ずるさ」でもなく、正当な評価といえるでしょう。
まとめ：鬼滅の刃 興行収入 がずるいとされる背景と真実
鬼滅の刃の興行収入が「ずるい」と言われる背景には、特典商法、リピーター、上映方式などさまざまな要素があります。
しかし、これらは他の映画でも用いられている手法であり、鬼滅だけが特別ではありません。
むしろ、それらの手法を最大限に活かし、多くの人に感動を届けたという点で、鬼滅の刃の成功は正当なものと言えるでしょう。
批判や疑問も人気の裏返しであり、それだけ社会に大きな影響を与えた証拠でもあります。
今後も多くの作品が、鬼滅の刃のように人々の心を動かすヒット作になることを期待したいですね。
